通常の離婚と異なり精神疾患が理由で離婚する場合は、要素として慰謝料、面会交流で争うことが最も多いと感じます。離婚後は鬱病や双極性障害など自身でも精神を安定させることが困難な状況下で面会交流を望むが相手方が応じない(別居親が精神不安定なため危険等を理由に)など、不履行となり紛争が始まります。
精神疾患で起きる言動なのか、基本的な性格なのかにより、支える側が今後、病のみならず性格も含め、共に歩めるか考える必要があります。鬱病、躁鬱、解離性障害、恐怖症や依存症など様々な精神疾患がありますが、症状や対処法、投薬量や期間はことなります。外部リンク:双極性傷害などはⅠ型とⅡ型があります、その症状を把握することで自身への心の負担と受け取り方(心の準備)も変わってくるのです。知識は心の準備と心の許容を広げます。
精神疾患患者と支える側、両者が状況(相手方の心理的ストレス)を理解し合うことが必要です。現在の状況を両者が把握することで感情論をぶつけることを避け、問題の本質だけと向き合い歩むことが出来ます。問題の共有化が「病」と「離婚」は別の問題であると気付かせてくれるのです。
まず体調が不安定なので予定通りに面会交流が行えずに日程変更がある可能性がある、投薬の種類や量によっては歩行困難であったり眠気がでることがあるので、車の運転や子の引き渡しに関し危険がある。感情の起伏が激しいので付き添いであれば可能だが受け渡しに不安がある、面会交流で子を引き渡したが、子を遠方まで連れて行ったが体調が悪くなったので子を引き取りに来てほしい、など、様々な問題が起きる可能性があります。
その他、強度の精神病の場合は事件になる可能性もあるので第三者の介入が必要になることもあります。
別居から3年3ヶ月の夫婦につき、妻のうつ病が治癒し、あるいは妻の病状についての夫の理解が深まれば子人関係は改善することも期待でき、いまだ破綻しているとまではいえないと判断された事例(名古屋高判平成20年4月8日)
夫婦関係の「破綻」について、家裁と高裁とで結論が異なったケースです(家裁裁判月報平成21年2月第61巻第2号)。
高裁は、別居から3年3か月の夫婦につき、夫が離婚を考える原因となった妻の言動は、うつ病の影響を受けた可能性があり、別居後4ヶ月ほどで申し立てられた調停や訴訟の機会を除くとほとんど話し合いの場を持つことができなかった夫婦にとって、当事者間の婚姻関係は破綻に瀕しているが、妻のうつ病が治癒し、あるいは妻の病状についての夫の理解が深まれば婚姻関係は改善することも期待でき、現時点ではいまだ破綻しているとまではいえないと判断されました。
家裁では、
①別居期間は約2年半を越え、ほとんど交流がないこと、
②被告(妻)には原告(夫)との関係修復への強いものがあるが、その内容は、原告の変化を期待するに過ぎないものであること③別居当時の被告の言動は、うつ病の強い影響を受けていたものとはいえ、原告はそれにより関係修復の意欲を失っていること、 ④被告にも、「良い嫁、かわいい嫁」を過剰に意識した相応の原因があることから、原告と被告との夫婦関係が破綻していると認定しています。これに対して、高裁は、
①被告の言動については、うつ病に罹患しながらいまだ治療を受けていないか、あるいは治療を開始したばかりのことであり、この時期の被告の原告に対する感情的、攻撃的な言動は、うつ病の影響を受けたものであること
②うつ病が治癒すれば、関係も改善され、婚姻関係は円満に修復される可能性もあること
③原告は、被告からうつ病に罹患している旨を聞かされていながらこの治療に協力したり、その治癒を待つことなく別居を開始し、現在まで、交流をさけており、いささか感情に流された行動であることなどを理由に、夫婦関係は破綻していないと判断しました。





















